ターミナルから自然言語でコードを書き、デバッグし、リファクタリングまで一括で処理できるAIコーディングツールがClaude Codeです。Anthropicが開発したこのCLIツールは、プロジェクトのファイル構造を自動で把握し、コンテキストを維持しながら対話的に開発作業を進められます。

2025年2月のベータ公開以降、頻繁なアップデートを重ね、2026年2月現在のバージョンは2.1.37です。Opus 4.6モデルの搭載、エージェントチーム機能、自動メモリ機能など、単なるコード補完を超えた「AIペアプログラマー」として進化を続けています。

Claude Codeを使うために必要な環境

Claude Codeのインストールに進む前に、動作環境を確認しておく必要があります。

項目要件
OSmacOS 13.0以上 / Ubuntu 20.04以上 / Debian 10以上 / Windows 10以上
メモリ4GB以上
ネットワークインターネット常時接続
シェルBash または Zsh(推奨)
Node.js18以上(npmインストール時のみ必要)

Windowsの場合、WSL 1/WSL 2またはGit for Windowsが必要です。ネイティブのコマンドプロンプトやPowerShellからも利用できますが、Git BashやWSL経由の方が安定して動作します。

OS別インストール手順

Claude Codeのインストール方法はOS環境によって異なります。2026年2月時点で推奨されているのはネイティブインストーラーで、従来のnpm経由は非推奨となっています。

macOS / Linux / WSL

curl -fsSL https://claude.ai/install.sh | bash

ワンラインでインストールが完了します。バックグラウンドで自動更新されるため、常に最新版が維持されます。

Windows PowerShell

irm https://claude.ai/install.ps1 | iex

Windows コマンドプロンプト

curl -fsSL https://claude.ai/install.cmd -o install.cmd && install.cmd && del install.cmd

Homebrew(macOS / Linux)

brew install --cask claude-code

Homebrew経由の場合は自動更新が行われないため、定期的に brew upgrade claude-code を手動で実行する必要があります。

WinGet(Windows)

winget install Anthropic.ClaudeCode

WinGetも同様に自動更新されません。winget upgrade Anthropic.ClaudeCode で手動更新が必要です。

インストール方法の選び方

方法自動更新特徴
ネイティブインストーラーあり公式推奨。最も安定
HomebrewなしmacOSで他ツールもbrew管理している場合に便利
WinGetなしWindowsのパッケージ管理に統合したい場合
npm(非推奨)なしNode.js環境が必須。レガシー用途

迷った場合はネイティブインストーラーを選べば問題ありません。

初回起動とログイン認証

インストール後、プロジェクトディレクトリでClaude Codeを起動します。

cd /path/to/your-project
claude

初回起動時に認証方法の選択画面が表示されます。

認証方法は大きく2種類

サブスクリプション認証(個人利用向け)

Claude ProまたはMaxプランに加入済みの場合、ブラウザ経由でClaude.aiアカウントにログインするだけで認証が完了します。Web版のClaude(claude.ai)とClaude Codeの使用量が同一のプランで管理されるため、追加課金は発生しません。

API認証(従量課金向け)

Anthropic Consoleでアカウントを作成し、APIキーを取得して認証します。利用量に応じた従量課金となるため、使った分だけ支払う仕組みです。Claude Codeを起動すると自動的に「Claude Code」という専用ワークスペースが作成され、使用状況を一元管理できます。

チーム・企業向け

Claude for TeamsやEnterprise契約の場合は、組織のClaude.aiアカウントでログインします。Amazon Bedrock、Google Vertex AI、Microsoft Foundry経由での認証もサポートされています。

料金プランの比較と選び方

Claude Codeの料金体系は、サブスクリプションとAPI従量課金の2系統に分かれています。

サブスクリプションプラン

プラン月額使用量の目安向いている人
Pro$20基本量週数回、小規模プロジェクト中心
Max 5x$100Proの5倍日常的に使用、中規模リポジトリ
Max 20x$200Proの20倍業務の大半でClaude Codeを活用

ProプランとMaxプランの使用量は、Web版Claude(claude.ai)との間で共有されます。Claude CodeとWeb版の両方を頻繁に使う場合は、Max 5x以上のプランが現実的です。

使用量は5時間ごとにリセットされる仕組みで、Max 5xで5時間あたり約225メッセージ、Max 20xで約900メッセージが目安です(出典: Anthropic Help Center)。

API従量課金

サブスクリプションとは別に、Anthropic ConsoleからAPI従量課金で利用する方法もあります。

モデル入力(100万トークンあたり)出力(100万トークンあたり)
Opus 4.6$5$25
Sonnet 4.5$3$15
Haiku 4.5$1$5

200Kトークンを超えるロングコンテキスト利用時は、Opus 4.6の入力が$10、出力が$37.50に引き上げられます。Sonnet 4.5も同様に入力$6、出力$22.50となります(出典: Claude API Pricing)。

バッチ処理を利用すると50%割引が適用されるため、CIパイプラインでの自動レビューなど非同期処理には有効です。

どのプランから始めるべきか

初めて試すなら**Proプラン($20/月)**がおすすめです。個人開発レベルのプロジェクトであれば十分な使用量があり、制限に達しても月の途中でMaxプランにアップグレードできます。使用量が不足する場面が頻繁に出てきたら、Max 5xへの切り替えを検討するタイミングです。

最初のセッションで試す5つの操作

Claude Codeの起動に成功したら、実際にプロジェクト内で以下の操作を試すとツールの全体像が掴めます。

1. プロジェクトの構造を把握する

このプロジェクトの全体構成を教えて

Claude Codeはプロジェクト配下のファイルを自動的にスキャンし、ディレクトリ構成、使用言語、主要なモジュールの役割を回答します。新しいコードベースを受け取った際の初期調査に有効です。

2. 特定のコードの動作を質問する

src/auth/login.ts の認証フローを説明して

ファイル名や関数名を指定すると、Claude Codeが該当コードを読み取り、処理の流れを日本語で解説します。

3. バグの修正を依頼する

src/utils/date.ts の parseDate 関数で、タイムゾーンが考慮されていないバグを修正して

Claude Codeは問題箇所を特定し、修正案を提示します。ファイルへの書き込み許可を求められたら、差分を確認してから承認します。

4. テストを作成・実行する

src/auth/login.ts のユニットテストを作成して実行して

テストファイルの生成からテストランナーの実行まで、一連の流れを自動で処理します。

5. Git操作を自動化する

変更をレビューして、適切なコミットメッセージでコミットして

ステージング、差分の確認、意味のあるコミットメッセージの生成までをClaude Codeが代行します。

覚えておきたいスラッシュコマンド

Claude Codeのセッション内では、スラッシュで始まるコマンドを使ってセッションを制御できます。

コマンド機能
/helpヘルプの表示
/compact会話履歴を圧縮してコンテキスト容量を節約
/clear会話履歴を完全にリセット
/model使用モデルの切り替え(Opus/Sonnet/Haiku)
/cost現在のセッションで消費した使用量を確認
/memoryメモリファイルの編集
/fastFast modeの切り替え(Opus 4.6で高速出力)

長時間の作業で応答が遅くなったり、不要なコンテキストが溜まった場合は /compact を使うと改善します。全く新しい話題に切り替える場合は /clear でリセットした方が精度の高い回答が得られます。

CLAUDE.mdでプロジェクト固有のルールを設定する

Claude Codeには「メモリ」に相当する仕組みとしてCLAUDE.mdファイルがあります。プロジェクトのルートに配置すると、Claude Codeがセッション開始時に自動で読み込み、記載された規約に従って動作します。

CLAUDE.mdの配置場所と優先順位

配置場所読み込みタイミング用途
プロジェクトルート/CLAUDE.mdプロジェクト読み込み時チーム共通のルール(Git管理推奨)
.claude/CLAUDE.mdプロジェクト読み込み時プロジェクト固有の設定(.gitignore推奨)
CLAUDE.local.mdプロジェクト読み込み時個人用設定(Git管理外)

実用的なCLAUDE.mdの例

# プロジェクトルール

## ビルド・テスト
- テスト実行: `npm run test`
- 型チェック: `npm run typecheck`
- 変更後は必ず型チェックとテストを実行すること

## コードスタイル
- TypeScript strict mode
- ES modules使用(CommonJS禁止)
- 早期returnパターンを推奨
- any型の使用禁止

## Git
- コミットメッセージは日本語
- feat/fix/refactor/test のプレフィックスを付与
- mainブランチへの直接コミット禁止

CLAUDE.mdに記載した内容は、Claude Codeの全応答に影響します。「テスト実行コマンドが毎回間違っている」「コーディング規約に沿わないコードが生成される」といった問題は、CLAUDE.mdに正しい情報を書き込むことで解消できます。

Plan modeで大きな変更を安全に進める

既存コードへの大規模な変更を依頼する場合は、いきなり実装に入るのではなくPlan modeを活用すると安全です。

Shift+Tab を2回押すとPlan modeに切り替わります。このモードでは、Claude Codeはコードの読み取りと分析のみを行い、ファイルへの書き込みは一切しません。

Plan modeで: src/api/ のエンドポイントをREST APIからGraphQLに移行する計画を立てて

Claude Codeが影響範囲の分析、変更対象ファイルの一覧、移行手順を提示します。計画に同意してからPlan modeを解除すれば、想定外のファイル変更を防げます。

MCP連携で機能を拡張する

MCP(Model Context Protocol)は、Claude Codeに外部ツールとの接続機能を追加する仕組みです。プロジェクトの .mcp.json または ~/.claude/settings.json に設定を記述します。

代表的なMCPサーバー

MCP機能
GitHub MCPIssue・PRの参照・操作
Playwright MCPブラウザ自動操作、E2Eテスト
Figma MCPFigmaデザインデータの読み取り
Context7 MCPライブラリドキュメントの最新版参照

MCPを設定すると、「GitHub Issue #42の内容を読んで修正して」「Figmaのデザイン通りにCSSを書いて」のような、外部サービスのデータを参照した指示が可能になります。

よくあるトラブルと対処法

インストール時に「command not found: claude」と表示される

ネイティブインストーラーは ~/.local/bin/ にバイナリを配置します。PATHが通っていない場合は、シェルの設定ファイルに以下を追加してください。

export PATH="$HOME/.local/bin:$PATH"

追加後、source ~/.bashrc(または source ~/.zshrc)で反映します。

Windows WSLで認証ブラウザが開かない

WSL環境からブラウザを起動できない場合があります。Claude Codeが表示する認証URLを手動でホスト側のブラウザに貼り付けて認証を完了させてください。

日本語入力でIMEが干渉する

ターミナルによっては、日本語入力中にIMEの確定操作がClaude Codeのキーバインドと競合する場合があります。対処法として以下が有効です。

  • VS Code統合ターミナルではなく、外部ターミナル(iTerm2、Windows Terminal)を使用する
  • IMEの確定キーをEnterからCtrl+Enterに変更する

応答が途中で切れる・遅くなる

長時間のセッションではコンテキストが肥大化し、応答速度が低下します。/compact コマンドで会話を圧縮するか、/clear で新しいセッションを開始してください。

コストを抑えるための運用のコツ

Claude Codeの利用料金を最適化するには、トークン消費を意識した使い方が重要です。

具体的な指示を出す: 「このファイルを良くして」のような曖昧な指示は、Claude Codeがファイル全体を解析するため大量のトークンを消費します。「src/utils/date.ts の parseDate 関数のタイムゾーン処理を修正して」のように、対象箇所を特定するとトークン消費を抑えられます。

/compact をこまめに使う: 不要な会話履歴を圧縮することで、コンテキストに余裕が生まれ、応答精度の維持とトークン節約を両立できます。

モデルを使い分ける: /model コマンドでタスクに応じたモデルを選択します。コードの質問や簡単な修正にはSonnet 4.5やHaiku 4.5で十分です。複雑なアーキテクチャ設計や大規模リファクタリングにはOpus 4.6を使う、という切り替えがコスト効率を高めます。

/cost で定期的に確認する: セッション中の消費量を把握し、想定外の超過を防ぎます。

Cursor・GitHub Copilotとの使い分け

Claude Codeは万能ではなく、他のAIコーディングツールとの併用が効果的な場面もあります。

観点Claude CodeCursorGitHub Copilot
操作形式ターミナル(CLI)エディタ統合(GUI)エディタ拡張
得意な作業大規模なリファクタリング、Git操作の自動化、複数ファイルにまたがる変更ファイル単位の編集、リアルタイム対話コード補完、行単位の提案
コンテキスト範囲プロジェクト全体のファイル構造を把握開いているファイル中心カーソル周辺のコード
料金$20〜200/月$20/月〜$10〜19/月
最適な場面新規プロジェクトの雛形生成、既存コードの調査・分析日常のコーディング作業タイピング中の即時補完

Claude Codeは「ターミナルで完結する大きな作業」、CursorやCopilotは「エディタ上のリアルタイム支援」という棲み分けで併用すると、開発生産性が最大化します。

まとめ

Claude Codeの導入は、ネイティブインストーラーを使えばコマンド1行で完了します。Proプラン($20/月)からスタートし、使用量に応じてMaxプランへアップグレードするのが最もリスクの低い始め方です。

導入後は、CLAUDE.mdにプロジェクトのルールを記載し、Plan modeで大きな変更を安全に進め、MCP連携で外部ツールとの統合を広げていくことで、Claude Codeの効果を段階的に引き出せます。

公式ドキュメント(Claude Code Docs)には、本記事で紹介しきれなかった高度な機能やワークフローが詳細に記載されています。基本操作に慣れたら参照すると、さらに活用の幅が広がります。