Webサイトのページ数が増えるにつれ、検索エンジンのクローラーがすべてのページを見つけられなくなるリスクが高まります。このリスクを低減する仕組みがサイトマップです。

サイトマップとは、Webサイト内に存在するページのURL一覧を構造的に整理したファイルまたはページのことです。検索エンジン向けの「XMLサイトマップ」と、サイト訪問者向けの「HTMLサイトマップ」の2種類が存在し、それぞれ目的・役割が異なります。

サイトマップが果たす2つの役割

サイトマップには、大きく分けて次の2つの機能があります。

  1. クローラビリティの向上:XMLサイトマップを通じて、Googleなどの検索エンジンにサイト内の全URLを伝達できます。内部リンクが届かない孤立ページや、新規公開直後のコンテンツも検出対象に含められます。
  2. ユーザビリティの向上:HTMLサイトマップをサイト内に設置することで、訪問者がカテゴリ別にページを一覧でき、目的の情報に最短でたどり着けます。

XMLサイトマップとHTMLサイトマップの違いを整理

両者は対象が「検索エンジン」か「人間」かで根本的に異なります。

比較項目XMLサイトマップHTMLサイトマップ
対象Googlebot等のクローラーサイト訪問者(人間)
ファイル形式.xml.html(通常のWebページ)
設置場所ルートディレクトリ(例: /sitemap.xml)サイト内の固定ページ
主な効果クロール漏れの防止・インデックス促進ナビゲーション補助・回遊率向上
更新方法自動生成が主流CMS機能やプラグインで自動生成可能
Googleへの通知Search Console・robots.txtで送信不要(通常のページとしてクロールされる)

XMLサイトマップがSEOに与える効果

Googleの公式ドキュメントでは、サイトマップは「検索エンジンにURLを発見させる」手段であり、クロールやインデックスを保証するものではないと明記されています(出典: Google Search Central)。

それでもXMLサイトマップがSEO上重要である理由は、次の3つです。

内部リンクが行き届かないページの発見

大規模サイトでは、カテゴリ階層の深い場所にあるページや、ナビゲーションから外れたランディングページが発生しやすくなります。XMLサイトマップに含めることで、クローラーがこれらのページを認識できます。

新規コンテンツのインデックス速度

記事やプレスリリースを公開した直後は外部からのリンクがほぼありません。サイトマップの<lastmod>タグに更新日時を正しく設定しておくと、クローラーが優先的に巡回する判断材料になります。

画像・動画・ニュースなどリッチコンテンツの伝達

XMLサイトマップは拡張マークアップに対応しており、動画の再生時間や年齢制限、画像の所在、ニュース記事の公開日などのメタ情報を検索エンジンに送信できます。

HTMLサイトマップのSEO的な位置づけ

HTMLサイトマップは直接的なSEOランキング要因ではありません。しかし、次の点で間接的に寄与します。

  • 内部リンクの補完:HTMLサイトマップページから各ページへのリンクが張られるため、クローラーの巡回経路が追加されます
  • ユーザー体験の改善:サイト構造を俯瞰できるページがあることで、直帰率の低下やセッション時間の向上が見込めます

ページ数が数十程度の小規模サイトでは、グローバルナビゲーションやカテゴリ構造で十分カバーできるため、HTMLサイトマップの設置優先度は低くなります。一方、ECサイトや大規模メディアでは、ユーザーの回遊性を高める手段として有効です。

サイトマップが特に必要なケース・不要なケース

Googleは公式ドキュメントで、サイトマップが必要になる状況を具体的に示しています(出典: Google Search Central)。

設置を推奨するケース

  • ページ数500以上の大規模サイト:内部リンクだけではすべてのページをカバーしきれない可能性が高いため
  • 立ち上げ直後のサイト:外部リンクが少なく、クローラーがサイトを発見する経路が限られるため
  • 動画・画像・ニュースなどのリッチメディアを多用するサイト:拡張サイトマップで付加情報を送信できるため
  • 孤立ページが多いサイト:内部リンクがほとんど張られていないページがある場合

設置優先度が低いケース

  • ページ数が500未満の小規模サイトで、すべてのページがナビゲーションやリンクでつながっている場合
  • 外部リンクが十分にあるサイトで、クローラーが自然にすべてのページを発見できる場合

XMLサイトマップの技術仕様

XMLサイトマップを作成する際に押さえるべき技術的な制約やタグ仕様をまとめます。

ファイルの制限事項

Googleの公式ガイドラインでは、以下の上限が定められています(出典: Google Search Central)。

制限項目上限値
1ファイルあたりのURL数50,000件
1ファイルの容量(非圧縮)50MB
エンコード形式UTF-8(必須)

この制限を超える場合は、複数のサイトマップファイルに分割し、サイトマップインデックスファイルで束ねます。

主要なXMLタグと記述例

<?xml version="1.0" encoding="UTF-8"?>
<urlset xmlns="http://www.sitemaps.org/schemas/sitemap/0.9">
  <url>
    <loc>https://example.com/page1</loc>
    <lastmod>2026-02-01</lastmod>
  </url>
  <url>
    <loc>https://example.com/page2</loc>
    <lastmod>2026-01-15</lastmod>
  </url>
</urlset>

各タグの役割は次のとおりです。

タグ必須/任意説明
<loc>必須ページの正規URL(絶対パスで記述)
<lastmod>任意ページの最終更新日(W3C Datetime形式)
<changefreq>非推奨Googleは値を無視する
<priority>非推奨Googleは値を無視する

<changefreq><priority>はsitemaps.orgのプロトコル仕様には含まれていますが、Googleは公式に「これらの値を無視する」と明言しています(出典: Google Search Central)。

サイトマップインデックスの記述例

大規模サイトでは、カテゴリやコンテンツタイプごとにサイトマップを分割し、インデックスファイルで管理します。

<?xml version="1.0" encoding="UTF-8"?>
<sitemapindex xmlns="http://www.sitemaps.org/schemas/sitemap/0.9">
  <sitemap>
    <loc>https://example.com/sitemap-posts.xml</loc>
    <lastmod>2026-02-01</lastmod>
  </sitemap>
  <sitemap>
    <loc>https://example.com/sitemap-products.xml</loc>
    <lastmod>2026-01-20</lastmod>
  </sitemap>
</sitemapindex>

XMLサイトマップの作成方法3パターン

パターン1:CMSの標準機能を利用する

WordPress 5.5以降では、コアにXMLサイトマップ生成機能が組み込まれています。特別な設定を行わなくても、/wp-sitemap.xmlにアクセスすればサイトマップが確認できます。

Wix・Shopify・Blogger などの主要CMSも、サイトマップの自動生成に対応しています。

パターン2:専用プラグインで細かく制御する

WordPressではプラグインを使うことで、出力対象のページタイプや除外URLなどを細かく設定できます。

代表的なプラグインは次のとおりです。

プラグイン名特徴
XML Sitemap & Google News軽量で、ニュースサイトマップにも対応
Yoast SEOSEO全般の機能に加え、サイトマップ生成も統合
All in One SEO動画・ニュースサイトマップの拡張に対応
Rank Math自動的にSearch Consoleへping送信する機能付き

パターン3:オンラインツールで生成する

CMSを利用していない静的サイトやカスタムCMSの場合は、外部のサイトマップ生成ツールが便利です。

  • XML-Sitemaps.com:URLを入力するだけで最大500ページまで無料でサイトマップを生成
  • Screaming Frog SEO Spider:サイト全体をクロールしてサイトマップを出力(無料版は500URLまで)
  • Sitemap Writer Pro:大規模サイト向けの有償ツール

手動でXMLファイルを作成することも可能ですが、ページ追加・削除のたびにファイルを編集する手間が発生するため、数十ページ以上のサイトでは自動生成を推奨します。

XMLサイトマップをGoogleに送信する方法

サイトマップを作成しただけでは、検索エンジンに認識されない場合があります。以下のいずれかの方法で通知します。

方法1:Google Search Consoleから送信

  1. Google Search Consoleにログイン
  2. 左メニューの「サイトマップ」をクリック
  3. サイトマップのURL(例: https://example.com/sitemap.xml)を入力して「送信」

送信後、ステータスが「成功しました」と表示されれば正常に処理されています。エラーが発生した場合は「カバレッジ」レポートで詳細を確認できます。

方法2:robots.txtに記述

robots.txtファイルの任意の位置に、以下の1行を追加します。

Sitemap: https://example.com/sitemap.xml

この方法はGoogle以外の検索エンジン(Bing、Yandexなど)にもサイトマップの場所を伝えられる利点があります。

両方を併用するのが確実

Search Consoleからの送信はGoogleへの直接通知であり、処理状況やエラーをダッシュボード上で確認できます。一方、robots.txtへの記述はGoogle以外のクローラーにも対応できます。両方設定しておくと、カバー範囲が広がります。

HTMLサイトマップの作成手順

手動でHTMLページを作成する

サイトのカテゴリ構造に沿って、リスト形式でリンクを並べたHTMLページを作成します。

<h1>サイトマップ</h1>
<h2>製品情報</h2>
<ul>
  <li><a href="/products/item-a">製品A</a></li>
  <li><a href="/products/item-b">製品B</a></li>
</ul>
<h2>お役立ちコラム</h2>
<ul>
  <li><a href="/blog/post-1">記事タイトル1</a></li>
  <li><a href="/blog/post-2">記事タイトル2</a></li>
</ul>

WordPressプラグインで自動生成する

WordPressでは、WP Sitemap PageやSimple Sitemapなどのプラグインをインストールし、固定ページにショートコードを埋め込むだけでHTMLサイトマップが完成します。ページの追加・削除も自動で反映されるため、メンテナンスの手間がかかりません。

設置場所のポイント

HTMLサイトマップへのリンクは、フッターなど全ページ共通のナビゲーション領域に配置するのが一般的です。訪問者がどのページからでもアクセスでき、クローラーにとっても発見しやすい構造になります。

サイトマップ運用で押さえるべき5つの注意点

1. noindexページをXMLサイトマップに含めない

noindexメタタグを設定しているページをサイトマップに記載すると、「インデックスしないでほしい」というシグナルと「クロールしてほしい」というシグナルが矛盾します。Search Consoleでカバレッジエラーとして報告される原因にもなるため、除外してください。

2. 正規URLのみを記載する

wwwあり/なし、httphttps、末尾スラッシュの有無など、URLの正規化が統一されていないまま複数バリエーションをサイトマップに含めると、重複コンテンツの問題を引き起こす可能性があります。canonicalタグで指定している正規URLのみを記載します。

3. lastmodの値を正確に保つ

<lastmod>の日時がコンテンツの実際の更新日と乖離していると、Googleがこの値を信頼しなくなります。CMS側で自動更新される仕組みが理想的です。全ページの<lastmod>を一括で現在日時に書き換えるような運用は避けてください。

4. 定期的にSearch Consoleでエラーを確認する

サイトマップの送信ステータスやインデックスカバレッジレポートを定期的にチェックし、404エラーやリダイレクトされたURLが含まれていないか確認します。

5. サイトマップのURLは絶対パスで記述する

<loc>タグにはhttps://example.com/pageのように完全修飾URLを記述します。相対パス(/page)はsitemaps.orgの仕様に反するため、パースエラーの原因になります。

サイトマップの確認方法

自サイトのサイトマップが正しく機能しているか確認する方法をいくつか紹介します。

ブラウザで直接アクセス

https://自サイトのドメイン/sitemap.xmlにアクセスし、XMLが正常に表示されるか確認します。404が返る場合はサイトマップが未設置、または別のパスに配置されています。

Google Search Consoleのサイトマップレポート

「サイトマップ」メニューから、送信済みサイトマップのステータス(成功 / エラー)、検出されたURL数、最終読み取り日時を確認できます。

robots.txtからの確認

https://自サイトのドメイン/robots.txtにアクセスし、Sitemap:ディレクティブが正しいURLを指しているかチェックします。

動画・画像・ニュースサイトマップの拡張機能

XMLサイトマップは、通常のWebページだけでなく、特定のメディアタイプ向けに拡張した記述が可能です。

動画サイトマップ

動画の再生時間、サムネイルURL、説明文などを<video:video>タグで記述します。YouTube以外に自社サーバーでホストしている動画がある場合に有効です。

画像サイトマップ

JavaScriptで遅延読み込みしている画像など、通常のクロールでは発見されにくい画像を<image:image>タグで明示できます。

ニュースサイトマップ

Google ニュースに掲載されるコンテンツを持つサイトでは、<news:news>タグで記事タイトルや公開日を記述します。掲載から48時間以内の記事のみが対象となります。

まとめ:サイトマップは「設置して終わり」ではなく継続管理が重要

サイトマップはWebサイトの構造を検索エンジンとユーザーの双方に伝えるための基盤です。特にXMLサイトマップは、クローラビリティの向上・新規コンテンツのインデックス促進・リッチメディアの情報伝達という3つの面でSEOに貢献します。

ただし、作成して放置すると逆効果になるケースもあります。noindexページの混入、lastmodの不正確な値、404URLの残存などは、Search Consoleでエラーとして報告され、クロールバジェットの無駄遣いにつながります。

サイトの規模や更新頻度に応じて、CMS標準機能・プラグイン・外部ツールの中から適切な生成方法を選び、Google Search Consoleで定期的にステータスを監視することが、サイトマップを活用したSEO対策の実践的なアプローチです。