Google AdSenseの基本 — サイトに広告を掲載して報酬を得るサービス

AdSense(アドセンス)は、Googleが運営するウェブサイト向けの広告配信プラットフォームです。正式名称は「Google AdSense」で、サイト運営者(パブリッシャー)がアカウントを開設し、自サイトへ広告コードを埋め込むと、訪問者の属性やページ内容に合った広告が自動的に表示されます。

広告の選定・配信・課金管理はすべてGoogle側が行うため、サイト運営者は広告主との交渉や広告素材の用意が不要です。利用に費用はかかりません(出典: Google AdSense ヘルプ)。

2024年のCPM課金移行 — クリック不要で収益が発生する仕組みへ

AdSenseは長年「クリック課金型(CPC)」を採用していましたが、2024年2月にインプレッション課金型(CPM)へ移行しました(出典: Google AdSense お知らせ)。

項目旧モデル(〜2024年1月)新モデル(2024年2月〜)
課金方式クリック課金(CPC)インプレッション課金(CPM)
報酬発生条件広告がクリックされたとき広告が表示されたとき
収益分配率収益の68%をパブリッシャーに分配広告プラットフォーム手数料控除後の80%をパブリッシャーに分配
実質的な取り分約68%約68%(Google Ads経由の場合)

Googleはこの変更について「パブリッシャーが受け取る収益額に大きな変化はない」と説明しています。ただし、クリック率が低いジャンル(ニュースサイトや情報メディアなど)にとっては、表示だけで報酬が発生するため有利に働く可能性があります。

広告表示から報酬受取までの流れ

AdSenseの収益は次のプロセスで発生します。

  1. 広告枠を設定する — サイトにAdSenseコードを貼り付けると、広告枠としてGoogleに認識されます
  2. オークションで広告が選ばれる — 複数の広告主が入札し、掲載料金の最も高い広告がサイトに表示されます
  3. インプレッションごとに収益が計上される — 2024年2月以降は、広告が表示された時点で収益が発生します
  4. 月末締め・翌月21〜26日に振込 — 収益が8,000円以上に達した月の翌月に、登録した銀行口座へ支払われます

最低支払額は8,000円です。これに満たない月は翌月以降に繰り越されます(出典: Google AdSense ヘルプ — お支払い)。

Google Ads(旧Google AdWords)との違い

「Google AdSense」と「Google Ads」は名前が似ていますが、対象ユーザーが正反対です。

比較項目Google AdSenseGoogle Ads
利用者サイト運営者(パブリッシャー)広告主(商品・サービスの宣伝者)
目的サイトに広告を掲載して報酬を得る広告を出稿して集客する
費用無料広告費がかかる
広告の掲載先自分のサイト検索結果・他者のサイト・YouTube等
収益の流れGoogleから報酬を受け取るGoogleに広告費を支払う

つまり、AdSenseパブリッシャーのサイトに掲載される広告は、Google Adsを通じて広告主が出稿したものです。広告主が支払った費用の一部がパブリッシャーへ分配される構造になっています(出典: Kinsta — Google広告とGoogle AdSenseの違い)。

アフィリエイト広告との報酬体系の違い

サイトから収入を得る方法として、AdSenseと並んで選択肢に挙がるのがアフィリエイト広告です。両者は報酬の発生タイミングや単価の傾向が大きく異なります。

比較項目Google AdSenseアフィリエイト広告
報酬発生条件広告が表示されるだけ(CPM)商品購入・サービス申込など成果発生時
1件あたりの報酬数円〜数十円(インプレッション単位)数百円〜数万円(成果報酬)
広告の選定Googleが自動で最適化サイト運営者が案件を選定
審査の有無AdSense審査が必要ASP登録+案件ごとに提携申請
収益化の難易度PVを集めれば比較的安定購買意欲の高い読者を集める必要あり
向いているサイト情報メディア・ニュース・雑記ブログ商品レビュー・比較・専門サイト

両方を併用しているサイトも多く、記事の内容に応じてAdSenseとアフィリエイトを使い分けるのが一般的です。

選べる広告フォーマット — 8種類の特徴と配置パターン

AdSenseでは2025年現在、8種類の広告フォーマットが利用可能です(出典: Google AdSense — AdSenseの仕組みと収益化を開始する方法)。

ページ内に配置するフォーマット

フォーマット名特徴
バナー広告ディスプレイまたはネイティブ形式の広告ユニット。記事中や記事下に配置
Multiplex広告グリッドレイアウトで複数の広告を表示。記事下やサイドバーに適合
関連する検索広告検索サジェストを表示し、ユーザーがクリックすると検索結果広告ページへ遷移

オーバーレイ(画面固定)フォーマット

フォーマット名特徴
アンカー広告画面の上部または下部に固定表示される横長の広告
サイドレール広告PC画面の両サイド余白に固定表示(デスクトップ限定)
全画面広告ページ読み込み時にフルスクリーンで表示

インテント重視フォーマット

フォーマット名特徴
広告インテント アンカーユーザーの興味に応じて自動検出・表示されるアンカー型広告
広告インテント リンクテキストを自動的にリンクへ変換し、関連広告を表示

「自動広告」を有効にすれば、GoogleのAIがサイト構成を解析し、最適な位置に最適なフォーマットの広告を自動配置します。手動で細かく配置を制御したい場合は、広告ユニットを個別に作成してHTMLコードを挿入します。

収益はどのくらい見込めるか — RPMとPV数から試算

AdSense収益の目安はRPM(Revenue Per Mille=広告表示1,000回あたりの収益額)で考えると把握しやすいです。

試算式: 月間PV数 ÷ 1,000 × RPM = 月間収益の目安

RPMはジャンルやサイトの訪問者層によって大きく異なりますが、日本語サイトの一般的なRPMは150〜400円程度です。

月間PV数RPM 200円の場合RPM 300円の場合RPM 400円の場合
1,000PV200円300円400円
10,000PV2,000円3,000円4,000円
50,000PV10,000円15,000円20,000円
100,000PV20,000円30,000円40,000円
300,000PV60,000円90,000円120,000円

RPMが高い傾向にあるジャンルは金融・保険・不動産・転職・法律関連です。一方、エンタメ・ゲーム・日記系のブログはRPMが低くなりがちです。

月1万円を目標とする場合、RPM 250円と仮定すると月間約40,000PVが目安になります。

登録から広告表示までの手順

AdSenseの利用開始に必要なものは4つです。

  • Googleアカウント
  • 独自ドメインのウェブサイト(無料ブログサービスでは利用不可の場合あり)
  • 有効な電話番号
  • 報酬振込用の銀行口座情報

手順は次のとおりです。

  1. AdSense公式サイトにアクセスし、Googleアカウントでログイン
  2. サイトのURLを入力し、AdSenseアカウントを作成
  3. 表示されるAdSenseコード(1行のJavaScriptスニペット)を、サイトの<head>タグ内に貼り付ける
  4. AdSenseの管理画面から審査をリクエスト
  5. 審査完了後、広告が自動的に表示される(審査には数日〜数週間かかる場合あり)

審査を通過するために押さえておきたいポイント

AdSenseには審査があり、Googleがサイトの品質やポリシー適合性を確認します。審査基準は公式には非公開ですが、合格者の事例から次のポイントが重要とされています。

コンテンツ面

  • オリジナルの記事を10〜20記事程度用意する(コピーコンテンツやAI生成文そのままではNG)
  • 1記事あたり2,000文字以上を目安に、読者の疑問を解決する内容にする
  • 特定のテーマやジャンルに絞って専門性を示す

サイト構成面

  • プライバシーポリシーページを設置する(必須)
  • お問い合わせフォームを設置する
  • 運営者情報(プロフィール)ページを用意する
  • グローバルナビゲーションやサイトマップで回遊性を確保する

ポリシー準拠

  • アダルトコンテンツ・暴力的な内容・誹謗中傷は掲載しない
  • 著作権侵害にあたるコンテンツがないか確認する
  • 他のアドネットワークの広告を過剰に配置しない

審査に不合格になっても、問題を修正して何度でも再申請が可能です。不合格理由はAdSense管理画面やメールで通知されます。

運用時に注意すべき2つのリスク — ポリシー違反と確定申告

AdSenseポリシー違反によるアカウント停止

AdSenseには厳格なプログラムポリシーがあり、違反するとアカウントが停止・無効化される場合があります。

  • 自己クリック: 自分のサイトの広告を自分でクリックする行為は即時違反対象です
  • クリック誘導: 「広告をクリックしてください」などの文言で訪問者にクリックを促す行為も違反です
  • 不正トラフィック: ボットやクリック報酬サービスを使ったアクセス水増しは厳禁です
  • 禁止コンテンツ: 成人向け・違法薬物・武器・ギャンブル(一部規制)に関するコンテンツへの広告掲載は制限されます

ポリシー違反が発覚した場合、収益の没収やアカウントの永久停止といった厳しい措置が取られることがあります。

AdSense収益にかかる税金と申告

AdSense収益は「雑所得」(または事業所得)として課税対象です。副業でAdSense収益がある場合、年間の所得が20万円を超えると確定申告が必要になります(給与所得者の場合。出典: 国税庁 No.1900)。専業でブログ運営を行っている場合は、基礎控除額を超えると申告義務があります。なお、令和7年度(2025年)の税制改正により基礎控除額が従来の48万円から段階的に引き上げられ、合計所得金額132万円以下の場合は95万円に拡大されています(出典: 国税庁 — 令和7年度税制改正による基礎控除の見直し)。

経費として計上できる主な費用には、サーバー代・ドメイン代・書籍代・PC周辺機器代などがあります。

よくある質問

AdSenseの利用に費用はかかりますか?

費用は一切かかりません。登録・利用・広告表示のすべてが無料です。

1回の広告表示でいくらもらえますか?

CPM(1,000回表示あたりの収益)はジャンルや訪問者の地域によって変動します。日本語サイトの場合、CPMは100〜500円程度が一般的です。1回の表示に換算すると0.1〜0.5円程度です。

アフィリエイトとAdSenseは併用できますか?

併用可能です。AdSenseのポリシーに違反しない範囲であれば、同一ページにアフィリエイト広告とAdSense広告を両方配置できます。

審査に落ちた場合、再申請はできますか?

再申請は何度でも可能です。不合格の理由を確認し、該当箇所を修正した上で再度審査をリクエストしてください。

YouTubeでもAdSenseは使えますか?

YouTubeの収益化にはAdSenseアカウントが必要です。YouTubeパートナープログラム(YPP)に参加し、チャンネルの収益化を有効にすると、AdSenseアカウントと紐づけて広告収益を受け取れます(出典: YouTube ヘルプ)。

無料ブログでもAdSenseは利用できますか?

独自ドメインを設定できる無料ブログサービスであれば利用可能な場合もあります。ただし、Googleは「ゼロから作った独自のコンテンツ」を求めているため、独自ドメインのWordPressサイトなどで申請する方が審査に通りやすい傾向があります。

まとめ — AdSenseはサイト収益化の第一歩に最適

Google AdSenseは、サイトにコードを貼るだけで広告配信から収益管理までGoogleが代行してくれる手軽な収益化手段です。2024年2月にインプレッション課金へ移行したことで、クリックされなくても広告が表示されるだけで収益が発生する仕組みになりました。

利用料金は無料で、審査に合格すれば即日広告を配信できます。月1万円の収益を目指す場合はおおよそ月間4万PVが目安です。まずは質の高い記事を10〜20本用意し、審査にチャレンジしてみてください。

AdSense公式サイト: https://adsense.google.com/intl/ja_jp/start/