「個人ブログで稼げるらしいけれど、実際に収益化できている人はどのくらいいるのか」――この疑問は、ブログを始めようとする多くの方が最初にぶつかる壁です。

NPO法人アフィリエイトマーケティング協会の「アフィリエイト・プログラムに関する意識調査 2024」によると、アフィリエイト収入がゼロの人は全体の38.4%にのぼります。一方で、月1万円以上を稼ぐ層は全体の約35%を占めており、正しい方法で継続すれば収益化は十分に現実的です(出典: アフィリエイトマーケティング協会)。

個人ブログの収益化とは、自分が運営するブログに広告を掲載し、その広告経由で発生した報酬を受け取るビジネスモデルです。初期費用は年間8,000〜15,000円程度と低く、場所や時間を選ばずに取り組めるため、副業としても人気があります。

個人ブログで収益が生まれる3つの仕組み

ブログの収益化には、大きく分けて3つのモデルがあります。それぞれ報酬の発生条件と収益性が異なるため、自分のブログスタイルに合った方法を選ぶことが重要です。

クリック報酬型広告(Google AdSense)

ブログに表示された広告を通じて報酬が発生する仕組みです。代表的なサービスはGoogle AdSenseで、広告内容はGoogleが読者の閲覧履歴に基づいて自動選定します。2024年2月以降、AdSenseの課金方式はクリック報酬(CPC)からインプレッション報酬(CPM)へ移行しており、広告の表示回数に応じた報酬が主軸になっています(出典: エックスサーバー)。

  • 報酬発生条件: 広告の表示(CPM)およびクリック(CPC)
  • 収益単価の目安: 1PVあたり約0.2〜0.3円(クリック率1%、CPC20〜30円で試算)
  • メリット: 商品を売り込む記事を書かなくてもよい
  • デメリット: 大きな収益にはまとまったアクセス数が必要

月1万円をAdSenseだけで達成するには、月間3万〜5万PV程度が目安です。個人ブログの初期段階ではメインの収益源にしづらいですが、アクセスが伸びれば安定した収入になります。

成果報酬型広告(アフィリエイト)

ブログで紹介した商品・サービスが、読者によって購入・申込された場合に報酬が発生する仕組みです。ASP(アフィリエイト・サービス・プロバイダ)と呼ばれる仲介業者を通じて広告主と提携します。

  • 報酬発生条件: 読者が商品購入や無料登録などの成果を達成した時点
  • 1件あたりの報酬: 数百円〜数万円(案件により大幅に異なる)
  • メリット: 1件の成約で大きな報酬を得られる可能性がある
  • デメリット: 成約に導くライティングスキルが必要

アフィリエイトは個人ブログの収益化において最も一般的な手法です。特に転職・金融・通信・美容など、報酬単価が高いジャンルでは月数十万円を稼ぐブロガーも珍しくありません。

自分の商品・サービスの販売

ブログを集客チャネルとして活用し、自作の電子書籍・オンライン講座・テンプレートなどを販売するモデルです。noteの有料記事やBrainなどのプラットフォームを利用する方法もあります。

  • 報酬発生条件: 読者が自分の商品を購入した時点
  • 1件あたりの報酬: 販売価格の全額(プラットフォーム手数料を除く)
  • メリット: 利益率が高く、販売価格を自由に設定できる
  • デメリット: 商品を作る手間がかかり、一定の専門性や信頼が必要

3つの収益モデルは併用可能です。多くの成功しているブロガーは、アフィリエイトをメインにしつつ、AdSenseや自社商品を組み合わせて収益を分散させています。

収益モデル別の特徴比較

項目クリック報酬型(AdSense)成果報酬型(アフィリエイト)自社商品販売
報酬の発生しやすさ高い(クリックのみ)中程度(成約が必要)低い(商品作成+販売)
1件あたりの収益1PVあたり0.2〜0.3円数百円〜数万円自由設定
必要なPV目安(月1万円)3万〜5万PV3,000〜1万PV1,000〜3,000PV
向いているブログタイプトレンド・雑記特化ブログ専門性の高いブログ
審査の有無あり(Google審査)ASPごとに異なるなし

ブロガーの収入実態|一般人はいくら稼いでいるのか

ブログの収益化を検討するうえで、実際にどのくらいの収入が得られるかは気になるポイントです。

NPO法人アフィリエイトマーケティング協会「アフィリエイト・プログラムに関する意識調査 2024」(回答者数1,261名)のデータによると、回答者全体の収入分布は以下のとおりです(出典: アフィリエイトマーケティング協会)。

月収レンジ割合
収入なし38.4%
1,000円未満約12%
1,000円〜1万円未満約15%
1万円〜5万円未満約10%
5万円〜10万円未満約5%
10万円〜100万円未満約12%
100万円以上約8%

注目すべき点は2つあります。1つ目は、収入なし〜1,000円未満の層が全体の約50%を占めている厳しい現実です。2つ目は、それでも月1万円以上を稼ぐ層が全体の約35%を占めており、正しいアプローチで継続すれば収益化は十分に可能だということです。なお、アフィリエイト開始1年未満の人に限ると、収益ゼロの割合は65.5%に達しており、最初の1年は「種まき期間」と捉える姿勢が必要です。

収益化までにかかる期間の目安

同調査では、ブログ開始からの経過年数と収入の相関も報告されています。

  • 開始〜6ヶ月: 大半が収入ゼロ〜数百円。この時期に挫折する人が最も多い
  • 6ヶ月〜1年: SEOの効果が出始め、月数千円の収入が発生し始める
  • 1年〜2年: 記事の蓄積とドメインパワーの向上により、月1万〜5万円に到達する層が増える
  • 2年以上: 月10万円以上を達成する層が明確に増加する

ブログ収益化の最大の壁は「最初の半年」です。検索エンジンに記事が評価されるまでにはタイムラグがあり、開始直後にアクセスが集まらないのは正常な状態です。

月1万円を達成するための12ヶ月ロードマップ

個人ブログの収益化で最初の目標として現実的なのは「月1万円」です。以下は、未経験からブログを始めて12ヶ月で月1万円を達成するための行動計画です。

やること目標記事数(累計)期待PV
1ヶ月目WordPressでブログ開設・ジャンル決定・ASP登録5記事〜100PV
2ヶ月目キーワード選定を学び、記事を書く習慣をつくる12記事〜300PV
3ヶ月目検索意図を意識したSEO記事の作成に集中する20記事〜500PV
4ヶ月目Google Search Consoleでインデックス状況を確認。内部リンク設計28記事500〜1,000PV
5ヶ月目過去記事のリライト開始。収益記事とキラーページを分離35記事1,000〜2,000PV
6ヶ月目AdSense申請(まだの場合)。アフィリエイト成約の分析開始42記事2,000〜3,000PV
7〜9ヶ月目検索上位の記事を横展開。ロングテールKWを狙う55〜65記事3,000〜8,000PV
10〜12ヶ月目収益の柱となる記事群を強化。SNS連携も検討70〜80記事8,000〜15,000PV

このロードマップは週2〜3記事ペースの想定です。本業と並行する場合は、1日1〜2時間のブログ作業時間を確保できるかが継続のカギになります。

WordPressブログの開設手順

収益化を前提とするなら、無料ブログではなくWordPressでの運営が推奨されます。理由は以下のとおりです。

比較項目WordPress(有料)無料ブログ(はてな・アメブロ等)
独自ドメイン利用可能制限あり(有料プランで可能な場合も)
広告の自由度制限なしプラットフォーム側の広告が優先表示
デザインの自由度テーマ・プラグインで自在テンプレート内での変更に限定
SEO対策プラグインで細かく設定可能基本機能のみ
サービス終了リスク自分が管理するため低いプラットフォーム依存
年間コスト約8,000〜16,000円無料〜月1,000円程度

WordPress開設の具体的な流れ

  1. レンタルサーバーを契約する: エックスサーバー(月額990円〜、36ヶ月契約時)やConoHa WING(月額678円〜、36ヶ月契約時)が定番です(出典: エックスサーバー出典: ConoHa WING
  2. 独自ドメインを取得する: 「.com」「.net」などが年間1,500〜3,000円程度。サーバー契約時の無料特典で取得できる場合もあります
  3. WordPressをインストールする: 多くのレンタルサーバーで「簡単セットアップ」機能が用意されており、管理画面から数クリックで完了します
  4. テーマを設定する: 無料テーマ(Cocoon等)でも収益化は可能。有料テーマ(SWELL、JIN:R等)は買い切りで1万〜2万円程度です
  5. 初期設定を行う: パーマリンク設定、SSL化、Googleアナリティクスとサーチコンソールの連携

主要ASP(アフィリエイト仲介サービス)の比較

アフィリエイトを始めるには、ASPへの登録が必要です。複数のASPに登録して、案件の幅を広げるのが基本戦略です。

ASP名最低支払額振込手数料強みのジャンル特徴
A8.net5,000円(1,000円に変更可)66〜660円全ジャンル累計280万サイト・広告主21,000社以上。審査なしで登録可能
もしもアフィリエイト1,000円(住信SBI利用時1円)無料物販・通信W報酬制度で報酬額が12%上乗せ。Amazon・楽天との提携が容易
afb777円無料美容・健康・金融報酬額に消費税10%を上乗せ。翌月末払いで振込スピードが速い
バリューコマース1,000円無料EC・旅行・金融Yahoo!ショッピングとの連携に強い。大手企業の案件が豊富
アクセストレード1,000円無料金融・通信・ゲーム金融系の高単価案件が多い。求人やフィンテック分野にも強い

初心者はまず A8.netもしもアフィリエイト の2社に登録するのがおすすめです。A8.netは審査不要でサイトがなくても登録でき、もしもアフィリエイトはAmazon・楽天の物販アフィリエイトを始めやすい仕組みが整っています。

収益を左右するジャンル選定のポイント

ブログのジャンル(テーマ)選びは、収益化の成否を大きく左右します。以下の3つの基準を満たすジャンルが理想的です。

基準1: アフィリエイト案件が存在するか

いくら良い記事を書いても、紹介できる広告案件がなければ収益は発生しません。記事を書き始める前にASPで案件を検索し、報酬単価と承認率を確認しましょう。

基準2: 検索需要があるか

読者が検索エンジンで調べるテーマでなければ、記事にアクセスが集まりません。ラッコキーワードやGoogleキーワードプランナーで検索ボリュームを確認してからジャンルを決めましょう。

基準3: 自分の経験・知識があるか

Googleは「E-E-A-T」(経験・専門性・権威性・信頼性)を重視しています。実際に使った商品のレビューや、実体験に基づくノウハウ記事はGoogleから高く評価されやすく、読者の信頼も得やすいです。

2026年に狙い目のブログジャンル

ジャンル報酬単価の目安難易度ポイント
転職・キャリア5,000円〜2万円/件高い特定の職種や業界に特化すると差別化しやすい
プログラミングスクール5,000円〜3万円/件高い体験談ベースの記事が強い
クレジットカード・金融3,000円〜1万円/件非常に高いYMYL領域のため個人には厳しいが、特定カードに絞れば可能
格安SIM・通信1,000円〜5,000円/件中程度乗り換え比較記事が収益を生みやすい
子育て・育児グッズ500円〜3,000円/件低め実体験が最大の武器になる
ペット500円〜2,000円/件低めペットフードやグッズの物販アフィが安定
ガジェット・家電200円〜1,000円/件(物販)中程度Amazonアソシエイトとの相性が良い

初心者は単価の高さだけで選ばず、「継続して50記事以上書けるテーマかどうか」を基準にするのが現実的です。

月収レベル別の目安|記事数・PV・必要な期間

具体的な数字でイメージすると、以下のようなモデルになります。

目標月収主な収益源必要PV目安記事数の目安到達期間の目安
月1,000円AdSense3,000〜5,000PV20〜30記事3〜6ヶ月
月1万円AdSense + アフィリエイト1万〜3万PV50〜80記事6〜12ヶ月
月5万円アフィリエイト中心3万〜5万PV80〜120記事12〜18ヶ月
月10万円アフィリエイト中心5万〜10万PV100〜150記事18〜24ヶ月

上記はあくまで目安です。ジャンルの報酬単価やキーワード選定の精度によって、少ない記事数でも月10万円を達成するケースもあります。逆に200記事以上書いても収益が月数千円にとどまるケースもあり、記事の「量」よりも「質と戦略」が収益を左右します。

ブログ収益化でよくある失敗パターンと対策

失敗1: ジャンルを決めずに雑記ブログを書く

雑記ブログはGoogleから「専門性が低い」と評価されやすく、検索上位に表示されにくい傾向があります。最初のうちは1つのテーマに絞った特化ブログで始めるのが効率的です。

対策: 3つ以上のジャンルに分散するのを避け、まず1つのジャンルで30記事を書き切る

失敗2: キーワード選定をせずに記事を書く

「自分が書きたいこと」だけで記事を書くと、検索需要のないテーマにばかり時間を使ってしまいます。

対策: 記事を書く前にラッコキーワードでサジェストを調べ、月間検索ボリュームが100〜1,000程度のロングテールキーワードを狙う

失敗3: 3ヶ月で成果が出ず諦める

新規ドメインの記事がGoogleに評価されるまでには、通常3〜6ヶ月かかります。開始直後にアクセスが集まらないのは仕様です。

対策: 最初の半年は「収益」ではなく「記事数」を目標にする。週2記事ペースを維持できれば半年で50記事前後を確保できる

失敗4: リライトをしない

公開して終わりではなく、検索順位やクリック率を分析して記事を改善(リライト)するプロセスが欠かせません。

対策: Google Search Consoleで表示回数が多いのにクリック率が低い記事から優先的にタイトルと導入文を改善する

ブログ収入が出たら知っておくべき税金の基礎

副業としてブログを運営し、年間の所得(売上 − 経費)が20万円を超えた場合は確定申告が必要です(出典: 国税庁)。

確定申告が必要になる基準

  • 会社員の場合: 給与所得以外の所得が年間20万円超(出典: 国税庁 No.1900
  • 専業主婦・学生の場合: 所得が年間48万円超(基礎控除額を超える場合)

注意点として、所得税の確定申告が不要でも住民税の申告は別途必要です。また、医療費控除やふるさと納税の還付申告をする場合は、副業所得が20万円以下であっても確定申告書に記載する必要があります。

ブログ運営で経費にできるもの

経費項目具体例目安金額
サーバー・ドメイン費レンタルサーバー月額、ドメイン更新料年間8,000〜16,000円
有料テーマ・ツール費WordPressテーマ、検索順位チェックツール1〜3万円
書籍・教材費SEO関連書籍、オンライン講座数千円〜数万円
通信費インターネット回線(按分)年間数千円
レビュー用品ブログで紹介する商品の購入費案件による

年間所得が20万円を超えそうな場合は、経費の領収書を保管し、クラウド会計ソフト(freee、マネーフォワード クラウド確定申告など)で収支を管理すると申告がスムーズです。

よくある質問

ブログで月1万円稼ぐのは難しいですか?

月1万円は決して簡単ではありませんが、正しい方法で6ヶ月〜1年継続すれば達成可能な範囲です。キーワード選定を行い、読者の検索意図に沿った記事を50本以上積み上げることが条件になります。アフィリエイトマーケティング協会の2024年調査では、月1万円以上を稼ぐ人が全体の約35%を占めています。

ブログで月10万円稼ぐにはどれくらいの期間が必要ですか?

一般的には1年半〜2年が目安です。ただし、報酬単価の高いジャンルを選び、SEOとライティングの改善を継続的に行えば、1年以内に達成するケースもあります。重要なのは記事数だけでなく、収益導線(読者が商品を申し込む流れ)を意識した記事構成です。

ブログで月5万円稼ぐには何記事必要ですか?

ジャンルと報酬単価によりますが、80〜120記事が1つの目安です。ただし、1記事あたりの報酬単価が高い案件(転職、金融、通信など)を扱う場合は、30〜50記事でも月5万円を達成できる場合があります。記事の量より、成約率の高い記事を何本作れるかが鍵です。

ブログとインスタグラムはどっちが稼げますか?

短期的な収益性ではインスタグラム(リール投稿によるPR案件)が有利な場面もありますが、長期的なストック収入を狙うならブログが適しています。ブログ記事は検索エンジン経由で24時間集客を続けるため、一度上位表示されれば放置していても収益が発生し続けます。理想は、SNSで集客しつつブログに誘導して収益化する「SNS × ブログ」の組み合わせです。

無料ブログでも収益化はできますか?

はてなブログやアメブロなどの無料ブログでもアフィリエイト広告の掲載は可能ですが、制約があります。プラットフォーム側の広告が優先表示される、独自ドメインが使えない(または追加費用が必要)、サービス終了時に記事が消える可能性があるなどのデメリットがあります。本格的に収益化を目指すなら、WordPressでの運営を推奨します。

まとめ

個人ブログの収益化は、正しい手順を踏めば副業として十分に成立するビジネスモデルです。

最も重要なポイントを整理すると、以下の5つになります。

  1. 収益モデルを理解する: AdSense(クリック報酬)とアフィリエイト(成果報酬)を組み合わせるのが王道
  2. WordPressで始める: 年間8,000〜16,000円の投資で、広告の自由度とSEO対策の柔軟性を確保できる
  3. ジャンルを絞る: 「ASPに案件がある × 検索需要がある × 自分の経験がある」の3条件を満たすテーマを選ぶ
  4. 最初の半年は収益よりも記事の蓄積を優先する: 新規ドメインがGoogleに評価されるまでの助走期間と割り切る
  5. リライトと分析を継続する: Search Consoleのデータをもとに、記事の改善を繰り返す

収益化の成功は「正しい方向への継続」で決まります。月1万円の壁を越えれば、その先の月5万円・10万円は方法論の延長線上にあります。